2025年9月28日(日)に東京湾大感謝祭にてお台場の映像が紹介されました。
発表された映像は以下です。
以下が、発表原稿です。
東京港お台場の水中は今!
今の東京湾を映します
我々、日本水中科学協会の東京港水中生物研究会では、毎月1回お台場海浜公園の調査潜水を行っています。お台場には、通常は、最終日曜日に潜っています。今日もお台場からやってきました。
お台場以外にも、大井ふ頭、城南島、大森ふるさとの浜辺公園などでも調査潜水を行っています。
ここで流す映像は、日本水中科学協会の代表理事である須賀次郎が編集しています。
本来ならば、須賀がここでご説明するべきなのですが、90歳とご高齢なので、私山本が須賀のメッセージを代読させていただきます。
須賀は90歳でありながら、毎月お台場に来ています。今年の6月と7月には潜水もしています。
それでは、ビデオをお願いします。
00:00
今年度は水の濁りがひどく、満足な撮影ができなかったので、これまでのストックから、日本水中科学協会の専門の一つである、魚礁撮影調査の視点からこれまでの撮影結果をまとめました。
★2012年、港湾局はお台場水域の魚を対象にした人工魚礁設置の実験をしました。
設置位置は白い矢印のところで、高さ2mある「人工磯場」という名称で日本水中科学協会の会員でもある「海洋建設」が設置しました。
メバル、シマイサキなどが付きこれからどうなると楽しみだったのですが、13年3月、実験目的を果たしたということで、撤去されてしまいました。今はありません。港湾局はチャレンジャブルで次々と実験をしています。
★この右下の部分。
ここに昔貯木場だったころの、船着き場、桟橋跡の列が、水中に残っています。
ちょうどここも、魚礁になっています。
いっぱいいるのは、イサザアミです。魚の餌になってます。
これは、ドロメですね、
杭の跡列は20mくらいあります。
2:28
トサカギンポです。お台場のアイドルです。
2:45
イシガニ
右からチチブが出てきました。
3:08
★ 杭が横に倒れて、倒れた杭の隙間が、魚やカニのすみかになっています。
タイワンガザミのペアーが隠れていた。
★この隙間、季節によって、隠れている生き物が交代する。秋口、大型のマハゼが群れてかくれていました。
3:46
★ここまでの撮影は、カメラを手持ちで行ってきましたが。ここから先は、ウエアラブルカメラを設置しておこなっています。
ダイバーが観察していられる時間は短く限られているが、カメラをおいて、たとえば午前中に置いて午後回収すれば、その間の撮影ができます。
また、ダイバーの手持ちだと、魚が逃げてしまうので置きカメラだとダイバーの影響なく撮影ができます。ここでも。まったく自然のままの撮影ができている。魚が、カメラを観察に寄ってくることもあります。
こんな感じで、設置しています。左の白いロープはライン調査の起点です。
ボラが捕食活動をしています。このような映像は設置カメラならではです。
クロダイです。
スズキです。
2012年の人工魚礁の撮影の頃、このウエアラブルカメラの撮影調査ができていたら、違った映像が撮影できていたと思います。
5:42
★杭の列の岸側の根本のあたりに、差し渡しが50CMほどの立方体の石が砕け石の上に載っていて。なんのために、どうしてここにこんな構造物があるのか不明だが、この部分が魚礁の中心になっている。
この部分を立方石魚礁と呼んでいます。
杭の列、立方石の部分の魚礁効果について、調査が進みはじめたのは、2023年、設置型のカメラを多用するようになってからでです。
6:28
イサザアミの中にスズキが来ています。
そして、手前にはスジハゼがいます。
7:17
これは、ボラですね。
クロダイ
7:53
クロダイを狙って鵜が飛び込んできました。
魚礁効果のまとめとして。
桟橋跡と、小さな立方石が魚礁の役割を果たしています。水深が浅いこともありこれだけでも良いし、撮影の実験もできています。しかし、経年変化で、杭がしだいに削られてきています。
9:07
★コノシロの群は、昔貯木場で合った頃に沈んだ材木の魚礁効果で集まったものです。
★なお、最後におまけ的に。1998年に紛れ込んで来た「イシイルカ」のカットをいれました。お台場にはこんな生物もやってきます。
「イシイルカ」は御蔵島など近くにいるハンドウイルカとは違い、三陸地方に多くいるイルカです。
これが須賀さんです。
以上で、お台場の映像を終わります。
ありがとうございました。