第44回JAUSワークショップ開催報告
- By: ワークショップ担当
- カテゴリー: JAUSワークショップ
終戦記念特集「トラック島に眠る艦隊を追って」
2023年8月15日(火)19:00~、第44回JAUSワークショップをオンラインで開催しました。今回のワークショップでは、代表理事の須賀次郎が、1987年、著書に「トラック大空襲」のある吉村朝之さん(故人)とともに、水深65mに沈んだ悲劇の駆逐艦『追風(おいて)』の撮影したときの映像を上映しました。
当時のテレビカメラは大型で、収録は船上に設置したビデオデッキで収録するスタイルでした。ビデオテープ1本で撮影できるのは20分しかなく、しかも水深は60mを超えています。船上から延ばした長いケーブルを何名ものダイバーが絡まないようにサポートしながら、限られた時間で入り組んだ『追風』の船内を撮影しています。映像にはタイムカプセルのように、『追風』が撃沈された当時の記憶を留めた船内が映し出されていました。
30年以上前に撮影された戦争遺構の映像に続き、会員の小俣雅宏さんには、2年前に訪れたチューク諸島のダイビング事情を映像とともに紹介いただきました。宿泊したホテルは30年前と変わらぬ姿であること、日本人ガイドも常駐するダイビングサービスがあることに加え、沈船ダイビングを目当てに訪れる欧米人ダイバーも多く、テクニカルダイビングの設備が整ったクルーズ船は2年先まで予約で埋まっていることなどを紹介いただきました。
第二次世界大戦は78年前に終戦を迎え、現在の私たちの周りにはほとんど戦争の傷跡を感じさせるものはありません。チューク諸島はブルーラグーンの美しい海と沈船ダイビングができることからダイバーに人気の場所でもありますが、その沈船には多くの英霊が今なお眠る戦跡であることを改めて心に刻んだワークショップとなりました。
※こちらのワークショップの映像は会員限定の公開をしています。視聴希望の方は、事務局までお知らせください。