講演者のご厚意により、JAUSシンポジウムのアーカイブを公開いたします。
第1部 13:00~14:00
「石西礁湖の海中サウンドスケープ調査」
JAUSでは2019年から石西礁湖で行われている「海中サウンドスケープ調査」に協力しております。海中のあらゆる「音を録る」というほぼ前例のない基礎研究プロジェクトで、昨年、「やいまの魚(いゆ)めいおん図鑑」として、その成果を発表しています。このプロジェクトの成果から、人々が「魚が鳴く、音を出す」ことに気づき、特に子どもたちが将来の研究者や水産人を目指し、水中環境への興味を持ってもらえることを期待しています。
登壇者
楯 慎一郎氏
一般社団法人全国水産技術協会 研究開発部 主査
いであ(株)国土環境研究所 生態解析部 主査研究員
第2部 14:10~15:30 「2023年JAUS活動報告」
1「岩手県立種市高等学校の潜水教育」
同校には全国で唯一、潜水と土木の基礎的知識と技術を学ぶことのできる海洋開発科があります。生徒たちは伝統の「南部もぐり」(ヘルメット潜水)に加え、マスク式潜水機「デマンドバルブ付フルフェイスマスク」や、もちろん「スクーバ」も学び、卒業後は全国の海洋土木の会社で潜水士として活躍しています。JAUSでは昨年、須賀次郎と久保彰良が同校を訪れ、プライマリーコースの紹介などを行いました。その活動報告と、下川顕太郎教諭に種市高等学校の潜水教育についてお話いただきます。
登壇者
「種市高校訪問記」須賀次郎(日本水中科学協会代表理事)
「プライマリーコースの実演について」久保彰良(日本水中科学協会副代表理事)
「海洋開発学科の潜水教育」 下川顕太郎教諭(種市高等学校)
2「サイエンス・ダイビング(仮)」の発刊について
JAUSでは須賀次郎、久保彰良の共著による「サイエンス・ダイビング」の刊行を計画進行しています。
須賀はサイエンス・ダイビングが日本で始まった1953年から今日までの沿革、現在進行中のフィールドワークの事例、並びにライン調査技術とウエラブルカメラの撮影技法を担当します。
久保彰良はプライマリープログラムを含むリサーチダイビングに必要な考え方と態度、具体的な安全ダイビングと技術、調査技法と機材、報告書のまとめ方、危機回避の方法論などの技術面を担当します。
2024年夏を目標に成山堂書店から発刊予定です。
3 「お台場2023」
東京港水中生物研究会は、220回余りにわたりお台場の月例調査を継続しています。2023年には、ライン撮影、マスクマウントによるラインの撮影、設置型カメラでの撮影、スポット撮影の技法を駆使して、海底の底質、生息する生物の動画撮影を行いました。その結果である2023年12か月のお台場の映像記録を報告いたします。
第3部 学生ダイバー2023 16:00~17:30
1 「小田原市根府川における魚類調査」 深谷真央(東京大学海洋調査探検部)
東京大学海洋調査探検部は、フィールドである小田原市根府川で、スキューバダイビングで撮影した水中写真をもとに,小田原市根府川から神奈川県初記録や分布北限記録を含む51科128種の魚類などを調査し、結果を論文として発表しています。根府川調査や考察、探検部の活動を報告します。
2 「ライン調査」東京海洋大学潜水部
東京海洋大学潜水部は、マスクマウントカメラを取り入れたライン調査を「館山湾坂田ステーション」で訓練する予定で、その計画案などを発表します。
3 関東学生潜水連盟加盟校の活動
学生ダイバーはコロナ禍により活動を制限されていましたが、昨年5月にコロナが5類になったことを受け、各校、対面での活動や合宿などを再開しています。各校の2023年の活動について報告します。
関東学生潜水連盟
法政大学アクアダイビングクラブ
中央大学海洋研究部
学習院大学ダイビング部
芝浦工業大学体育会スキューバダイビング部